2022年06月24日
お抱え運転手を正社員雇用する場合、一般社員同様に求人費や教育費・給与などの費用がかかります。
ただし雇用人数が少ないため、複数名採用する新卒の求人と比較して、求人費・教育費などはコスパが悪くなりがちです。
また待機時間や時間外労働が長くなりがちという採用後の問題もあります。
せっかく役員の負担を軽くするためにドライバーを雇用しても、費用対効果が得られなければメリットがありません。
そこで今回は、お抱え運転手にかかる費用とその問題点、解決方法をご紹介します。
費用対効果の得られるお抱え運転手の雇用方法をお探しの方向けの記事となっています。
ぜひ採用の参考にしてください。
1. お抱え運転手にかかる費用
お抱え運転手をひとり自社雇用する場合、一般社員と同じようにさまざまなコストがかかります。
まずは採用から順を追ってどのような費用がかかるのか確認してみましょう。
1-1. 採用費(求人費)
最初にかかるのは、お抱え運転手を採用するための採用費(求人費)です。
お抱え運転手は新卒社員を採用することはほとんどなく、中途採用となります。
求人方法は求人検索エンジンや求人サイト・ハローワーク・折込の求人チラシなどがあります。
無料で求人できるものから100万円を超えるものまでさまざまです。
一度に大勢雇用するわけではないお抱え運転手の場合、求人費は高くなる傾向があります。
よい人材が見つからず、採用が長期化すればその分費用も高くなっていくでしょう。
1-2. 教育費
採用後にかかる費用は、教育費です。
お抱え運転手には、一般社員に行う経営理念や社内ルールといった研修のほかに、お抱え運転手としての研修が必要です。
お抱え運転手は、運転以外にもさまざまなスキルが求められる仕事。
だからこそ細かい指導が必要になります。
これらの研修はお抱え運転手経験者でなければ、教えることは難しいかもしれません。
社内に教育できる人材がいれば、その人材の給与や研修用の教科書などの費用だけで済みます。
教育できる人材がいない場合は、研修を外部委託する方法もあります。
その場合は、社内で研修する以上にコストがかかるでしょう。
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1-3. 給与
厚生労働省発表の2019年賃金構造基本統計調査によると、お抱え運転手の平均給与は、所得税・社会保険料など控除前の額でおよそ26万5,000円。
残業代・休日出勤といった超過労働給与込みの額です。
しかしこれはあくまでも平均の数値。
お抱え運転手としてキャリアを積み、実力を兼ね備えたドライバーの中には、はるかに多い収入を得ている方もいます。
関連記事「役員運転手の年収・給料はいくら?費用相場とお得に雇用する方法」
1-4. 各種保険・福利厚生など
給与以外のランニングコストも馬鹿にできません。
ランニングコストは給与以外にも、福利厚生費や退職金の積立・社会保険料などがあげられます。
一説では人材をひとり雇用した場合、給与の1.5倍~2倍の費用がかかるともいわれています。
雇用する場合は、これらのランニングコストも考慮しましょう。
2. お抱え運転手にかかる費用の問題点
お抱え運転手にかかる費用では、労働時間に関係する費用が問題になりがちです。
会社側からしても、問題点を把握して、支払う給与はできるだけ抑えたいもの。
頻繁に話題になる2つの問題点についてご説明します。
2-1. 待機時間も給与が発生する
お抱え運転手はドライバーといっても、比較的運転時間が短い職業です。
場合によっては、仕事のメインとなる運転時間よりも、待機時間の方が長くなることもあります。
ここで問題なのは、待機時間の扱いです。
待機時間には車の清掃や点検・次の目的地までのルート設定などを行っていますが、それでも時間が余ってしまうこともあります。
その場合は、地理研究の勉強など比較的自由に時間を過ごしています。
待機時間は休憩時間ではないため、外出はできません。
給与も発生します。
自由に過ごしている時間にも給与を支払うことに対し、抵抗がある会社もあるでしょう。
待機時間で悩んでいる企業は、時間を無駄にしない対策を考える必要があります。
2-2. 長時間労働になりやすい
もうひとつお抱え運転手の労働で問題となるのが、長時間労働です。
お抱え運転手を雇用するような企業の役員は、基本的に皆さん多忙です。
夜間の会食や休日の接待など、日々こなしている方もいらっしゃるでしょう。
お抱え運転手は、役員の仕事に合わせて業務を進めるため、どうしても長時間労働になりやすい職種です。
当然その分給与も増えます。
そしてもうひとつ長時間労働で問題があります。
2019年(中小企業は2020年)4月の働き方改革関連法により、36協定で定める時間外労働に罰則付きの上限が定められました。
お抱え運転手も月45時間・年360時間の上限を超えて働くことはできません。
長時間労働のお抱え運転手の業務を、この上限にどのように収めるか検討が必要です。
さらには待機時間と長時間労働を改善しなければ、給与の問題も解決しません。
どうすれば解決できるか、コストダウンの方法を考えてみましょう。
3. お抱え運転手の費用を抑える方法
無駄な待機時間を減らし、長時間労働を回避するためには、どのような対策が考えられるでしょうか?
ここでは3つの対策をご紹介します。
3-1. 待機時間は他部署の業務をさせる
お抱え運転手にかかる費用を抑えることにはなりませんが、待機時間に他部署の業務をさせる方法もあります。
責任の重い仕事は任せにくいですが、他部署の仕事をこなすことでその部署の時間外労働が減ることや、従業員の負担軽減による業務の効率化が期待できるといった効果が望めます。
結果的に、社内全体の人件費削減も叶えられるかもしれません。
ただしドライバーの中には、運転業務以外はしたくない方もいらっしゃるかもしれません。
トラブルを避けるためにも、新規で雇用する場合は、他部署の仕事をさせる旨を必ず伝えましょう。
3-2. 正社員以外で雇用する
待機時間が長くなるようであれば、正社員雇用ではなく、パートやアルバイト・契約社員など非正規で契約する方法もあります。
役員のご自宅と会社の送迎が主な仕事の場合、その時間のみ勤務させる方法です。
ごくまれに取引先などに出掛けることがあれば、そのときだけスポットで派遣・請負会社に依頼する方法もあります。
待機時間の無駄をなくすための対策です。
3-3. お抱え運転手の派遣・請負会社に依頼する
最後の方法は、お抱え運転手専門の派遣・請負会社に依頼する方法です。
スポットで依頼することも考えられますし、月極で契約しても正社員で雇用するよりも費用を抑えられる可能性もあります。
派遣・請負会社にドライバーを依頼した場合の費用はひと月あたり40万円~80万円ほど。
時間外労働が発生しなければ、この費用で抑えられます。
社会保険や福利厚生費・退職金などを考慮する必要がないため、結果的に正社員よりも費用対効果が得られる可能性もあります。
できるだけ安く雇用したいという場合は、都内なら「セントラルサービス」がおすすめです。
月極契約は40万円から依頼できます。
研修を受け、スキルを身につけたドライバーを紹介してもらえるため、教育の心配もありません。
関連記事
「東京で役員運転手を正社員雇用するのは損!?おすすめの雇用方法紹介」
4. まとめ
お抱え運転手をひとり正社員雇用する場合、一般の社員と同様に求人・教育などの費用、雇用後の給与・社会保険などがかかります。
お抱え運転手を大勢雇用することはまれなため、求人や教育はややコスパが悪くなる傾向があります。
さらに注意するべき問題は、待機時間などの労働時間をどのように対応するかです。
何もしない無駄な時間ができてしまう可能性もあり、対策が必要です。
他部署の業務をさせる方法や、正社員以外の雇用方法も検討してみましょう。
貴重な人材を無駄なく活用できる雇用方法を考えてみてください。
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