2022年05月10日
優秀な役員運転手と秘書がいれば、役員の仕事は劇的にスムーズに進みます。
しかし求人募集をかけても条件に合った人材が採用できるとは限りません。
役員運転手と秘書に必要とされる部分は共通する部分が多く、求人の際や教育時の注目すべきポイントは共通しています。
ポイントを押さえたうえで採用・教育を実施すれば、自社にとって有用な人材を雇用できるでしょう。
そこで今回は、役員運転手と秘書に共通するスキルとそれを身につけさせるために、どのような研修を行うべきかをご紹介します。
役員運転手や秘書の教育でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 役員運転手・秘書を求人募集する際にチェックすべきスキル
「役員の仕事の補佐」という共通の仕事をもつ役員運転手と秘書は、必要なスキルも共通する部分が多くあります。
教育の前提として、求人募集の段階で必要なスキルのある人材を募集することも重要な条件です。
この章では、役員運転手・秘書を求人募集する際にチェックすべき5つのスキルをご紹介します。
1-1. コミュニケーション能力
役員の補佐をしていると、さまざまな方と接する機会があります。
秘書なら直接お会いするだけでなく、電話やメールでお客様と接することもあるでしょう。
どのような相手・手段であっても、意図を正確に読み取り、伝える「コミュニケーション能力」が求められます。
正確さだけでなく、失礼に当たらない振る舞いも同時に求められるため、高い技術が必要です。
1-2. ビジネスマナー
社会人として「ビジネスマナー」は必須のスキルです。
中でも秘書や役員運転手は、取引や売り上げにも関わる役職のある方と接することも多く、高度なビジネスマナーが求められます。
秘書・役員運転手に必要なビジネスマナーとは、挨拶や言葉遣い・身だしなみ・電話対応やビジネスメールの作成など多岐にわたります。
これらすべてにおいて、相手の方に「失礼に当たらない」「不愉快な思いをさせない」対応が必要です。
1-3. 守秘義務の徹底
役員は会社内の重要な情報を知っています。
近くで仕事をする役員運転手や秘書も機密情報を耳にすることがあるでしょう。
しかしこれらを外部や社内の人間にも漏らすことは厳禁です。
万が一新商品の情報が漏れれば、会社にとって大きな損失となることもあります。
どんなに興味深い情報でも、「守秘義務を徹底」できる意志の強さが必要です。
1-4. 迅速な対応
多忙な役員は急にスケジュールが変更になることもあります。
そのような場合、補佐役は柔軟かつ迅速な対応をしなければなりません。
秘書はこれからのスケジュールを組み立て直し、役員運転手はルート設定を行います。
指示待ち姿勢では、業務はスムーズに進みません。
冷静かつ迅速に判断し、自分から行動できるスキルが必要です。
1-5. 情報管理能力
秘書は取引先・お客様・社内などさまざまな場所から、仕事やアポイントの依頼、会議の予定の連絡などが届きます。
これらすべてをうまく管理し、スケジューリングしなければなりません。
役員運転手も目的地までのさまざまなルートや道路情報など、知識をフル活用してベストのルートを設定します。
どちらの仕事も、情報管理能力が必要な仕事。
情報管理能力のない人材がこなせば、いつかキャパオーバーの可能性もあります。
2. 役員運転手と秘書の教育内容
求人募集・採用選考の際にチェック基準をクリアした人材であっても、役員運転手や秘書に必要な実務能力がすべて身についているとは限りません。
不足しているスキルは、教育にて補う必要があります。
この章では役員運転手と秘書の教育内容について解説します。
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2-1. 身だしなみ・ビジネスマナー
通常役員運転手はスーツ、秘書はスーツやジャケットなどで華美でない服を着るのが一般的です。
アイロンがかけられシワのない服装、清潔感のある髪型、磨かれた靴などもチェックすべきポイントとなります。
役員に同行した際は、役員運転手や秘書も会社の代表としての振る舞いが求められます。
ビジネスマナーは、お辞儀の仕方・言葉遣いなど一般的な礼節や、メール・電話対応・名刺の渡し方などを身につけさせましょう。
2-2. ロールプレイング
役員の補佐といってもそれぞれ基本となる仕事は異なるため、実際の業務に沿ったロールプレイングを行います。
役員運転手なら運転やルート設定の方法など。
カーブや車線変更の仕方、ドアの開閉サービスの方法、交通情報や工事の情報など常に新しい情報をチェックしルート設定するなどを具体的に学びます。
秘書なら来客の応対やスケジューリングの方法などです。
次々に入ってくる情報を取捨選択し、どのように役員に伝えるか、スケジューリングを行う手順などを細かく教育します。
これらは経験者でなければ教えられないことが多いため、秘書課の担当者や役員運転手経験者などが教育担当となって行うのが理想です。
2-3. 気配りの仕方
役員運転手や秘書は、気配りの人でなければなりません。
たとえば秘書なら、担当する役員が仕事をしやすいような準備が必要です。
「手土産が必要なときは、相手の方の好みをこっそりリサーチして喜ばれるようなものを用意する」「役員の健康状態を把握し、必要な薬を常備する」といったことです。
役員運転手であれば、移動中常に役員に注意を払い「寒そうにしていれば空調を調整する」「書類を見ていればトンネルを避ける」といった気配りが求められます。
やはりこれらも、経験者でなければ教えられないことばかり。
同じ部署の方に教育してもらうのが理想です。
3. 役員運転手や秘書の採用・教育ができない場合の対処法
では役員運転手や秘書がおらず、教育できる人がいない場合は、どうすればよいでしょうか?
3つの方法をご紹介します。
3-1. 秘書検定を受けさせる
一つ目の方法は秘書検定を受験させる方法です。
秘書検定は社会人としての一般常識やビジネスマナー・文書作成の方法、秘書特有の業務の方法などを問われます。
社会人にとって役立つスキルばかりのため、秘書だけでなく役員運転手にも積極的に受験させるとよいでしょう。
3-2. 役員運転手・秘書の専門家に教育を依頼
もう一つの方法は、外部に教育を依頼する方法です。
秘書に関しては、秘書セミナーに参加させる方法があります。
実務経験のない新人向けのセミナーであれば、同じような立場の秘書と一緒に、基礎的な知識を学べるでしょう。
役員運転手はドライバー向けの研修を行う専門機関がほとんどありません。
ただすべての会社で行っているわけではないものの、役員運転手専門の派遣・請負会社に教育を依頼する方法があります。
都内であれば役員運転手の派遣・請負会社である「セントラルサービス」は外部の教育実績があるので、興味のある方は問い合わせてみるとよいでしょう。
3-3. 派遣・請負会社に人材を紹介してもらう
これから役員運転手や秘書を雇用しようと考えている場合は、派遣・請負会社に人材を依頼する方法があります。
専門の派遣・請負会社であれば、希望するスキルを伝えることで、それに合った人材を紹介してもらえます。
とくに最近は、役員運転手を派遣・請負会社に依頼する企業が増加傾向にあります。
その理由は、派遣・請負会社で研修を行うことにより、スキルの身についた人材を紹介してもらえるため。
秘書以上に自社で研修を行うことが難しい役員運転手は、すでにスキルの身についている人材を雇用することが理想です。
その点派遣・請負会社なら、安心して仕事を任せられるでしょう。
4. まとめ
役員運転手と秘書は役員を補佐するという点で共通しており、必要なスキルも似通っています。
<役員運転手と秘書に共通するスキル>
・コミュニケーション能力
・ビジネスマナー
・守秘義務の徹底
・迅速な対応
・情報管理能力
採用時これらすべてが揃った人材なら問題ないものの、そのような優秀な人材にはなかなか巡り合えません。
そのため適切な教育が必要です。
これらを身につけさせるためには、ロールプレイングや、同じ業務を行う方からの指導が有効です。
もしも教育できる人材がいない場合は、秘書検定の受験や専門家に代わりに教育してもらう方法もあります。
役員の仕事をスムーズに進めるためにも、役員運転手や秘書経験者の力を借りて、優秀な人材を育てましょう。
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