2022年04月28日
会社の社長や役員を目的地までお送りすることが仕事の役員運転手。
優れた運転スキルやビジネスマナーをもち、気配りができる人材でなければなりません。
だからこそ初めて役員運転手を雇用する場合、いくらぐらいの給与設定にすればいいのか悩んでしまうこともあるのではないでしょうか?
実は、役員運転手の給与額は一般労働者と比較してもそれほど高くありません。
その理由は、役員運転手の働き方に理由があります。
そこで今回は、役員運転手の平均年収や給与・賞与額、をご紹介します。
また給与がそこまで高くない理由や、費用を抑えて雇用する方法なども合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 役員運転手とは
役員運転手とは、企業の社長や役員・芸能人・官公庁のVIPなどを目的地までお送りすることが仕事です。
ハイヤーと同じような仕事ですが、ハイヤーの場合は会社に所属しさまざまな方を乗せるのに対し、役員運転手は企業の専属ドライバーとして働きます。
またハイヤーが車とドライバーのセットで依頼するのに対し、役員運転手は企業所有の役員車の運転を行います。
営利目的の運転ではないため、運転する車のナンバーも白ナンバー。
運転免許も「普通自動車第一種運転免許」があれば、就業可能です。
1-1. 役員運転手の仕事内容
役員運転手の仕事は運転だけではなく、役員車の管理全般を受け持っています。
日々の清掃や日常的な点検、メーカーの定期点検や車検など、役員のスケジュールを見ながら手配します。
また役員のスケジュールが予定通りに進むよう配慮するのも役員運転手の仕事です。
タイトなスケジュールで目的地へ時間通りに到着するためには、ドライバーの土地勘や下調べが重要です。
こまめに道路工事や事故渋滞などを調べ、渋滞している道は避けて最適なルート設定を行います。
2. 役員運転手の年収・給料相場
役員の命を預かる責任の重い仕事をしている役員運転手。
それだけに優れた運転技術が必要です。
また目上の方や社会的に影響力のある方と接するため、ビジネスマナーや気配りなど高度なスキルを求められる仕事でもあります。だからこそ、誰にでもできる仕事ではありません。
では高度なスキルが必要な役員運転手の年収はいくらぐらいでしょうか?
2019年厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」の結果によると、調査の行われた6月に支払われた給与額(所得税・社会保険料など控除前の額)は、およそ26.5万円。
この額には残業代や休日出勤などの超過労働給与も含まれています。
これは同じく厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査の概況」で確認できる2019年の一般労働者の平均賃金約30.7万円と比較しても、4万円以上安い金額です。
さらに年間の賞与額は約40.2万円。
これらを計算すると年収はおよそ358万円となります。
このように平均よりやや低い金額で雇用されているのが、役員運転手の特徴です。
ただしこの額は、あくまでも6月に支払われた給与を基にした参考の数値です。
たとえば年末年始など、取引先への挨拶が頻繁にあるような月は、時間外労働が多くなりこの額より高くなることもあるでしょう。
2-1. 待機時間にも給与は発生する
役員運転手の年収相場が一般の相場と比較して安いのは、体力的に負担の少ない「待機時間」が長くあることが理由として考えられます。
役員運転手につきものの「待機時間」。
多くの会社では、運転時間より待機時間の方が長くなる傾向にあります。
スケジュールの急な変更で、担当する役員がいつ外出することになるか分からないため、この時間は自由に外出することは許されていません。
そのため、たとえば待機中に読書や仮眠をしていたとしても、その時間分の給与は支払われることになります。
休憩時間と混同しないように考慮しなければなりません。
2-2. 役員運転手の給料を支える時間外労働
役員運転手の平均年収は約358万円ですが、すべての役員運転手が低賃金で働いているわけではありません。
中には年収600万円を超える額の役員運転手も存在します。
その理由は企業の差・本人の経験やスキルの差、さらに大きく関係しているのが、時間外労働の有無です。
夜間や休日も会議や接待に出席している役員を担当しているドライバーは、どうしても時間外労働が多くなりがちです。
必然的に残業代などが増え、時間外労働のない職場のドライバーよりも収入が増えます。
しかし役員運転手の給与があまりにも多くなると、「待機時間が長いのに、なぜあの人はそんなに給与をもらっているのか?」と、一般社員から不満の声が上がる可能性も。
給与を決定する際は、社内のバランスを顧慮する必要もあるでしょう。
3. 役員運転手の費用を抑えて雇用する方法
どんなに役員運転手の年収が一般の年収を下回っているといっても、人材をひとり雇用するためには、社会保険や退職金の積み立てなど多くの費用がかかります。
ではできるだけ費用を抑えるには、どういった方法があるでしょうか?
3-1. 派遣・請負の役員運転手を雇用する
ひとつ目の方法は、派遣・請負の役員運転手を雇用する方法です。
派遣・請負会社の中には、役員運転手専門の会社があります。
そのような会社に依頼すれば、かかる費用は月々の支払いのみ。
退職金を積み立てる必要もなければ、社会保険を負担する必要もありません。
派遣・請負会社に依頼する場合、ひと月あたりの費用相場は40万~60万円程度。
実際に自社雇用してかかる費用を算出し、どちらが安上がりに済むか計算してみましょう。
3-2. 短時間だけ雇用する
ふたつ目は、正社員として雇用せず短時間だけ、パートやアルバイトといった形で雇用する方法です。
待機時間が多ければそれだけ無駄に時間を過ごさせてしまいます。
必要なときだけ雇用すれば費用を抑えられます。
朝・夕の通勤といった決まった移動の時だけドライバーを雇用すれば、待機させる時間を最小限に抑えることが可能です。
ほかにも出張時の駅・空港への送迎、休日の接待ゴルフ送迎など、特別なときだけ雇用する方法もあります。
この場合は、先述の派遣・請負会社のスポット契約が役立ちます。
スポット契約とは、半日や1日といった短時間のみ依頼する方法。
取り扱いのない会社もあるものの、特別なときだけ依頼したい場合に便利な契約方法です。
4. おすすめの役員運転手専門の派遣・請負会社
派遣・請負会社に役員運転手を依頼した場合のメリットは、費用だけではありません。
スキルのあるドライバーを雇用してもらえるため教育の必要がないことや、安全・安心な運行が期待できるといったメリットもあります。
おすすめは、ドライバー教育に力を入れている派遣・請負会社です。
都内であれば「セントラルサービス株式会社」が挙げられます。
「セントラルサービス」は、役員運転手に必要とされるスキルやマナーを丁寧に研修することで知られています。
ここで研修を受けたドライバーなら、安全な運転が期待できるうえに、高度なビジネスマナーを身につけているためどこへ行っても恥ずかしい思いをすることはありません。
ひと月当たりの費用も44万円~と、派遣・請負会社の中では比較的リーズナブルです。
スポット契約もできるため、気になる方は一度依頼してみてはいかがでしょうか?
5. まとめ
役員運転手はさまざまなスキルを必要とする職業で、誰でも簡単にできるわけではありません。
しかしその平均月収は、約26.5万円。
一般労働者の平均賃金約40.2万円と比較しても決して高い月収ではありません。
役員運転手の給与は、時間外労働の有無で大きく変わってきます。
今後役員運転手の雇用を考えている場合は、ほかの社員とトラブルにならないように給与を考える必要があるでしょう。
役員運転手を雇用する方法としては、正社員だけでなくパートやアルバイト・派遣社員などの方法も考えられます。
どういった働き方をさせるのが最も適しているか検討したうえで、雇用しましょう。
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